今回取り上げたのは、ペーパーブランクスの「メディナ・ミスティック テリーン」。
2022年春登場の新シリーズです。
ゴムバンド付きのハードカバーノート
まずは、ノートの基本的な作りから。
製本方式は上製本と呼ばれるもの。
単行本のような、ハードカバーのしっかりした製本です。
また、モレスキンやロイヒトトゥルムと同じような、ゴムバンド付き。
このようにゴムバンドを掛けて、表紙を留めておくことができます。
この「ゴムバンド付き」は、ペーパーブランクスのハードカバ―ノートでは最も一般的なスタイル。
他には、「マグネット式カバー」や「留め金付き」などもあります。
これらのカバーのスタイルについては、また別の機会にご紹介したいと思います。
ちなみに、ゴムバンドは裏表紙の表面ではなく、見開き側につけられています。
このため使わない場合は、このように見開き側に隠してしまうことが可能です。
デザインの特徴は美しく緻密なパターン
では、続いてデザインについて…
手にした人の目を惹きつける、とても華やかなデザイン。
金色の部分が角度によって光を反射し、とてもきれいです。
また、特筆すべきは、そのパターンの精緻さ。
柄そのものはクラシカルなもので、特にすごい個性的と言うことではありません。
しかし、手に取って近くで見て見ると、ちょっと息を飲むような細かさです。
(ぜひ、画像を拡大してご覧ください。)
近くで見ると、色々なモチーフがさらに細かなパターンの組み合わせから出来ているのが分かります。
そして、さらによく見ていくと、このパターンは織物を再現しているのが見て取れます。
実はこのデザイン、14~15世紀からの伝統を持つ、モルドバ絨毯をモチーフとしたものとのこと。
それで、その織物感まで再現されていた、ということですね。
ペーパーブランクス 「緻密なパターン」ランキング
最後におまけですが、過去10年間のペーパーブランクスの「緻密なパターン」ランキングを作ってみました。
(あくまでも私の個人的な印象ですが…)
【第6位】秋麗
18世紀の革装聖書をモチーフとした「秋麗」。
施された直線と曲線の装飾は、角度によって光沢感が変化。
アンティーク調の雰囲気の中に、キラキラした美しさのあるノートです。
【第5位】花火
デザインのモチーフは、1766年に出版された書物。
花火のように見えるデザインは、細かな線で描かれた葉をパターンとしたもの。
暗色の背景に映える、金色の繊細な描線が印象的なデザインです。
【第4位】英国女王の装丁 王政復古
17世紀 王政復古期の英国の小さな職人グループの装丁をモチーフ。
ダークブラウンのベースを彩る、複雑で精緻なパターン。
光を反射する金とブルーの装飾が、落ち着いた華やかさを加えています。
【第3位】カスケード
デザインのモチーフは、1729年、スイスのバーゼルで出版された「トッサーニの聖書」という書物。
さざ波のような光沢感とグラデーションのあるベースに、細かな金色の装飾パターンが描かれています。
【第2位】ダフニスとクロエ
1910年に出版された同名の書物を再現した表紙。
グレカ・パターンといった幾何学文様に、植物文様が組み合わされた複雑なデザイン。
きれいに揃った精緻なパターンが、かっちりとした雰囲気を醸し出しています。
【第1位】メディナ・ミスティック テリーン
大小様々なパターンが組み合わされ、隙間なく表紙を覆っています。
パターンの細かさ、複雑さは、やはり他のデザインの一段上という印象です。
こうしてみると、緻密なパターンのデザインは他にも結構ありますね。
特に、2位のダフネスとクロエ、4位の英国女王の装丁辺りは、模様の細かさに加え、パターンの正確さと言う点でも見ごたえがありますね。
テリーン以外のアイテムについては、既に生産が終了しているものもあります。
このため、いつまで在庫があるか分かりませんが、一応ショップサイトのリンク先を掲載いたします。
ご興味の方は、ぜひご覧ください。