最近ほとんど出番の無いインクってありませんか?
お気に入りのインクをちょっと大きめのボトルで買い、それを万年筆に入れて使い続ける。
以前は、そんなスタイルが主流だったように思いますが、最近はどうでしょう?
様々なインクを小さいボトルで集め、季節や用途、雰囲気に合わせて使い分ける。
ガラスペンの普及によって、こんなスタイルが多くなったのではないでしょうか。
で、そうなると、以前はお気に入りだった大きめのボトルインク。
色もオーソドックスだし、最近ほとんど出番が無い、って感じではないでしょうか…
私の場合は、ペリカンのバイオレットとロイヤルブルーがそんな感じです。
ボトルの容量も60ml以上ありますので、なかなか使い切ることはなさそうです。
そこで登場! “ラメの素”
で、そこで思い出したのが、呉竹が昨年(2021年)発売した「ラメの素」。
これを使って、“元お気に入りインク”に新たな魅力を加えてみましょう!
ラメの種類は、グリッター、ゴールド、シルバーの3種類。
グリッターとシルバーは、似た感じになるような気もしますが…。
それも確かめつつ、ラメ入りインクを作ってみましょう。
ラメの素を混ぜる割合は?
ラメの素の説明書によると、目安となる割合は『「インク」5~10:「ラメの素」1』。
なので、この下限と上限の2パターンを試してみることにしました。
- 第一段階(下限):インク5ml + ラメの素0.5ml
- 第二段階(上限):インク5ml + ラメの素1.0ml(第一段階にラメの素を0.5ml追加)
という感じでやることにしました。
尚、今回はインクやラメの素をなるべく正確に量りたいので、ラメの素に付属のスポイトではなく、駒込ピペットで計量しています。
ラメを混ぜる容器は?
また、インクとラメを混ぜる際は、以下の理由から小さなボトルを使うことにしました。
- 理由1)ラメはすぐ底に沈んでしまうので、使うたびによく混ぜる必要がある。
- 理由2)インク5ml+ラメの素1mlで、計6mlのラメ入りインクができる。
使用したのは、セーラー万年筆の空インクボトル。
容量10mlで保管もできますので、今回の用途には最適ですね。
今回、ベースとしたインクは?
今回は、ペリカンのバイオレットをベースのインクとしました。
他に同じペリカンのロイヤルブルーもあったのですが、バイオレットの方が少し色が濃い目で、ラメが良く映えそうだったので、こちらを使うことにしました。
ボトルに分けてラメを入れたのがこんな感じです。
ボトルを見るだけだと、どんなラメが入っているのか良く分かりませんね。
では早速、試し書きして見てみましょう。
まずは、ラメを入れる前のノーマル状態について。
ノーマル状態(ラメ無し)
まずはラメ入りとの比較対象として、何も入れていないノーマルな状態のインクについて。
文字や線の色を見るサンプルです。
ペン先は、細字~中字程度のものを使っています。
次に、面に広く塗った場合のサンプル。
インクの量によって濃淡が生じてます。
また右下の箇所、インクの濃いところの縁にフラッシュが見られます。
続いてラメの素を加えたものを見ていきます。
まずは「グリッター」から行きましょう。
グリッター(glitter)の意味は、「ピカピカ光る、キラキラ輝く」といったところ。
3種類のラメの素の中でも、よりキラキラするイメージでしょうか。
インク 5ml + グリッター 0.5ml
グリッターのラメ少なめバージョン。
左上のギザギザ線に少しラメが見えますが、それ以外ではほとんどラメが見えません。
面に塗った場合は、割と良い感じにラメが出ています。
重ね塗りすると、その分ラメも濃くなる感じです。
一方、インクの薄い箇所では、ラメはほとんど見られません。
宇宙空間に星が浮かんでいるように、なかなかきれいな仕上がりです!
インク 5ml + グリッター 1ml
グリッターのラメ多めバージョン。
線については、はっきりラメが見える箇所があります。
一方、文字の部分は、あまりラメが見えません。
面に塗った場合、結構濃いめにラメが見られます。
特に重ね塗りになっているところは、かなりラメが濃くなっています。
2番目のラメの素は「シルバー」。
結構似てそうな気がする「グリッター」との違いも見て行こうと思います。
インク 5ml + シルバー 0.5ml
シルバーのラメ少なめバージョン。
グリッター0.5mlと同様、ほとんどラメは確認できません。
面に塗った場合は、はっきりラメが確認できます。
ラメの色そのものは白色(無色)で、グリッターと同じ。
でもラメの粒がグリッターよりも細かい印象です。
インク 5ml + シルバー 1ml
シルバーのラメ多めバージョン。
文字や線にもラメを確認できます。
面に塗った場合、結構濃いめにラメが見られます。
塗り残しをなくそうと重ね塗りが多くなってしまったため、全面でかなりラメが濃くなってしまっています。
では、最後はラメの素「ゴールド」を混ぜていきましょう。
インク 5ml + ゴールド 0.5ml
ゴールドのラメ少なめバージョン。
グリッター、シルバーと同様、ラメが入っているのか分かりません。
面に塗ると、ラメの存在がはっきり分かります。
インクが薄いところはラメがほとんどなく、インクの濃いところでラメが濃くなっています。
ラメの金色もはっきり分かり、華やかな印象になりますね。
インク 5ml + ゴールド 1ml
ゴールドのラメ多めバージョン。
文字や線にも金色のラメを確認できます。
面に塗った場合、やはりかなり濃いめにラメが見えています。
インクが薄いところでも、ラメがある程度載ってくる印象です。
ハマってしまいそうな面白さ!
色々パターンを変えて試してみましたが、私個人の感想としてはかなり楽しいですね!
ノーマル状態では、ちょっと優等生な感じだったインク…
それがラメによって、元気になったり、妖艶になったりと、かなり雰囲気が変わりました。
また、今回は「濃いめのバイオレット+ラメ」で、星空みたいになるかと、一応予想がついていました。
でも、今後は赤系や茶系のインクと組み合わせたりして、意外な組み合わせを探すのも楽しそうです!
ただし、作ったラメ入りインクの用途によって、適切な濃さはかなり違いそうな感じではありました…
- 文字や線を書く場合)「インク」5:「ラメの素」1(もしくはそれ以上)にしないと、ラメの雰囲気が現れず、物足りないかも知れません。
- 面を塗る場合)「インク」5:「ラメの素」0.5 程度だと、塗った時のラメの濃さを調整しやすい印象です。
皆さんも、もうあまり使わなくなっているインクがありましたら、ぜひラメ入りインクを作ってみてはいかがでしょうか。
ただし、ちょっとご注意下さい
冒頭でご説明したように、今回はラメの素を計量するのに駒込ピペットをしました。
で、使用後の様子がこんな感じです。
駒込ピペットはゴムキャップを外せますので、それを外して流水で良く洗い流しました。
でも、内部には結構ラメが残っています。
これは何かを通して、少しこすってあげないと落ちない印象です。
これを見ると、やはり万年筆でラメ入りインクを使うのは、リスクがありそうですね。
ガラスペンやつけペンなど、洗いやすい構造のペンが向いているようです。
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