万年筆インク人気の追い風を受け、今年も人気のガラスペン。
しかし、雑誌やSNSを飾る、宝石のように美しいガラスペンは、軽く1万円超え。
さらに人気の工房では予約待ちや抽選販売等で、すぐに手に入らないことが常態化しています。
さらにペン先がガラス製のため、「すぐに壊してしまいそう」という怖さもあるかと思います。
何ヵ月も予約待ちした1万円以上のペンをすぐに壊してしまったら、ちょっとすぐには立ち直れませんね。
という訳で、ガラスペンに興味はあるけど、ちょっと手を出せないでいる皆様!
あくまで私個人の考えですが、最初の1本へのおすすめポイントをご紹介させていただこうと思います。
ポイント1:価格は3千円以下
お金があれば何も問題無いのです、2万円でも3万円でも好きなペンを買えばいいのです。
でも、趣味に使えるお金には限りがありますし、そもそも新しい趣味は最初に色々お金がかかります。
ガラスペンを始めたら、どうしたってインクは欲しくなります。
それもセット品ではなく、ロマンチックな名前の付いた味わい深い色のインクが。
ちょっといくつか例を挙げますと…
1)パイロット iro shizuku<色彩雫>シリーズ 770円(税込)/15ml(ミニボトル)
2)セーラ万年筆 四季織シリーズ 1,100円(税込)/20ml
3)ピエール・カルダン Sound of Music シリーズ 1,760円/15ml
4)ジャック・エルバン アニバーサリーインク 3,740円(税込)/50ml
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3世紀以上の歴史を誇るメゾン・エルバンから誕生したラグジュアリーライン、「ジャック・エルバン」。「アニバーサリーイン…
すぐにインクを3~5本は欲しくなりますので、それだけで5千円くらいは必要になってきます。
それにペン先を壊してしまう怖さも考えて、最初は安価で入手しやすいペンが良いと思います。
(使い慣れてくると、それほど心配いらないのですが、最初のうちは安いペンが安心ですね。)
ポイント2:線幅(字幅)は細字
線幅(字幅)を太字にするか、細字にするか、実はこれは結構悩みどころです。
実は、濃淡や〇〇フラッシュといったインクの表情は、線幅が細いとあまり分からないんですね。
(※画像は、「ピエール・カルダン/Sound of Music インク ブラームス ポートブルー」。ところどころに、赤く光る”レッドフラッシュ”が見られます。)
しかし一方で、線幅が太いと小さい字はすぐにつぶれてしまいます。
日記や手紙を書こう、書写をしようといったとき、文字がつぶれてしまっては、せっかくのペンも使えません。
なので、ここは最初は「細字」をお勧めさせて頂きたいと思います。
(もちろん、最初から比較的大きな文字を書く予定の方は、「中字~太字」を選ばれると良いと思います。)
ポイント3:持つ喜びのあるもの
価格との兼ね合いで、一番難しいのがこのポイントです。
しかし、せっかくガラスペンを買うのですから、持っていて嬉しいものが良いですよね。
残念ながら安価なガラスペンの場合、軸の部分に気泡や曇りなどが、少し多くみられることがあります。
手作りのためある程度仕方ないのですが、ちょっと仕上がりが良くない商品がありますので注意が必要です。
おすすめは「ピエール・カルダン Duo3」
前置きが長くなりましたが、以上を踏まえて私がおすすめするのが、「ピエール・カルダン Duo3」です。
2022年5月に値上がりしてしまいましたが、2022年7月現在の価格は…
- 通常品 : 1,980円(税込)
- ポーチ付き限定品 : 2,420円(税込)
と、ガラスペンの中では、かなり低価格帯となります。
ガラスペンとしては珍しい作り
Duo3は細いガラス管の中にラインストーンが封入された、独特のスタイル。
手作り感、レトロ感がある一般的なガラスペンに比べると、現代的で個性的なデザインです。
軸のガラス管は、少し試験管のような雰囲気。
手作りのようなムラや歪みは感じられず、正確でクリアに作られています。
ガラス内に、気泡や曇りも見られず、仕上がりはとてもきれいです。
また軸内のラインストーンは、ペンを傾けるとキラキラと移動します。
ペン先はストレートで少し長めな形状。
インクを溜める溝は、ねじりが入っています。
また、ペン先のサイズや形状について、一本一本の個体差は少ない印象です。
全体を通した印象としては、「ピエール・カルダン Duo3」は…
- 手作り感は少なく、ある意味“量産品”
- しかしだからこそ、形の歪みや気泡はほぼ無く、仕上がりのクオリティは高い
- デザインとしては、シンプルでモダンな方向性
このためデザインが気に入れば、仕上がりや質感は悪くないため、持つ喜びを感じることができると考えています。
線幅(字幅)は細字
下の検証記事でも確認していますが、Duo3の線幅は概ねEF(極細)~F(細字)。
線が細いため字がつぶれにくく、最初の1本として使いやすいと思います。
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残念な点は…
さて、ここまでDuo3の良い点を整理してきましたが、価格が安いということは、当然その分“残念な点”もあります。
なので、以降では、それらの残念な点を整理しようと思います。
1)少し摩擦感のある書き心地
高いガラスペンであれば、ペン先が丁寧に研磨されているため、書き心地はツルツルと滑らか。
しかしDuo3の場合、筆記の際に少し摩擦感があり、サリサリという書き心地となります。
(シャープペンの書き心地にも少し近いので、私自身はさほど気になりませんが…。)
小さな紙やすりが付属していますので、気になる人は自分で磨けということかも知れません。
(なんか怖いので、私自身は紙やすりを使ったことはありません。)
2)箱が無い
残念ながら商品に箱は付属しておらず、半透明のスリーブに入った状態で販売されています。
ポーチ付き限定版ではスエード調のポーチが付属しますが、やはりこちらも箱はありません。
3)修理ができない
国産のガラスペンの場合、破損の箇所や程度によりますが、修理可能な場合が多いようです。
しかし、Duo3等の海外産の場合、基本的に修理はできません。
カラーバリエーションは7種類
という訳で、ピエール・カルダン Duo3、残念な点あるものの、総じて初めてのガラスペンとして割と良いのではないでしょうか。
ちなみに、2022年7月現在のカラーバリエーションは、通常版5種類、ポーチ付き限定版2種類の計7種類となっています。
かわいい色のものが多いですが、シルバー、ブラック等のモノトーンもすっきりとしていてなかなか素敵です。
ガラスペンの興味をお持ちの方、どうぞピエール・カルダン Duo3でガラスペンを始めてみてはいかがでしょうか。
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